Apple Visionの購入を検討している方、使用感が気になっている方に向けて書きます。
まず結論から書くと、良い体験は得られたが値段とは見合っていないと感じました。
何故そのように感じたのか、どういう体験が得られたのか等を後述します。
Apple Storeでは、Apple Vision Proのデモを無料で受けることができます。
(所要時間は30分程)
私は、予約なしでApple 丸の内店に訪れたのですが、すぐにデモを受けることができました。
(2024年8月26日時点)
デモで体験できること
デモの中では、下記の説明を受けました。
- 操作方法の説明
- 環境
- Apple TV+での体験
操作方法は簡単で、
選択したいものを目で見た状態で、親指と人差し指をくっつけ、離すだけで選択できました。
(手の動作は、Apple WatchのAssistiveTouchと同じような感じです。)
「環境」は、自身の周囲の環境を変化させ、まるでその空間にいるような体験をもたらします。
作業ウィンドウを表示させたまま、周囲の不要な情報を遮断できるため、集中して作業に取り組むことができます。
月の上でコーディングする感覚は新鮮です。
Apple TV+の体験は、スポーツの観戦や高所の映像でした。
実際に体験しないと、伝わらないのですが、触れられそうな感覚でApple Storeにいることを忘れてしまうほどの迫力でした。
人によっては、Apple TV+ではなく、「恐竜たちとの遭遇」というアプリで体験されることもあるようです。
私も購入後に体験しましたが、かなりの大迫力で思わず、ホーム画面に戻ってしまうほどでした。
Apple Vision Proの魅力と限界 : 購入前に知っておくべきポイント
キー入力
個人的には物理キーボードの方が圧倒的に優れていると感じました。
Vision Pro単体の場合、仮想キーボードに触れての入力、アイトラッキングによる入力ができます。
仮装キーボードでは、打鍵感がなく、同じキーを長押ししてしまう等の問題を感じました。
アイトラッキングによる入力はスマートですが、視線移動後のキー移動にラグがあると感じました。
また、意識しないと入力途中で別のキーに視線が移ってしまうので、扱いには相当の慣れが必要になりそうです。
物理キーボードを使う場合、純正のMagic Keyboardを使用する事で、「環境」によって視界が遮られている場合でも、キーボードは見えるようになるようです。
(私は所持していませんが、ブラインドタッチが苦手な方で、「環境」を使用したい方は必須となるのではないかと思います。)
視力が弱い方の利用
視力が悪い方でも利用できます。
しかし、メガネをつけたままでの利用は不可です。
この辺りは、Meta Questとの大きな違いとなりそうです。
Vision Proでは、ZEISS Optical Insertsというものを購入し、レンズを取り替える事で、対応することができます。
「16,800円(税込)から」という記載がありますが、私の場合は、度付きレンズとなるので、「24,800円(税込)」という表示が出てきました...。高いです...。
対応できないケースもあるらしいので、視力の弱い方は、自身の状態に対応できるか、サイトで確認されることをお勧めします。
MacBookとの連携
MacBookの画面をVision Proに表示させることができます。
Vision Proを装着した状態でMacBookに視線を移すと「接続」というボタンが表示され接続ができます。
一度でもVision Proを外すと、この接続は解除され、着用時に、再接続が必要となるのが、少し面倒です...。
お手洗い等での離席時に毎回再接続しなおすのが地味にストレスです。
しかし、現状は1画面しか表示することができず、複数画面への対応がされていないため、作業を効率化するという目的の場合、あまり高い効果が期待されません。
これは、2024年秋に公開を予定されているVision OS2の公開によって、ウルトラワイドディスプレイが登場する事で改善が期待できそうです。
私は、iMacを所持していないため、試せてはいませんが、おそらくiMacとの連携も可能かと思います。
音声出力
音声は、骨伝導だと勘違いされる方も多いのですが、耳元から出力されています。
周囲にははっきりとした音は漏れませんが、何を見ているのか察しがつく程度には聞こえてきます。
近距離だと聞こえてしまうため、新幹線や飛行機の中で作業したい方は、イヤホン着用が必須です。
イヤホンも純正のAirPodsを使用する事で、簡単に接続できるようです。
バッテリーの駆動時間、持ち運び利用
バッテリーの駆動時間は、2時間と短いです。
また、バッテリーサイズは、分厚いiPhoneサイズで重さも350gほどあり、それなりに重たいです。
充電する際には、バッテリーにTypeC端子で充電を行う必要があります。
Vision Proへの給電は、純正バッテリーからしかできないため、2時間以上持ち運ぶ際には、別の持ち運びバッテリーから純正バッテリーへ充電する形での持ち運びとなり、かなりの重装備となりそうです。
自宅で使用する分には、充電したままで問題ないのですが、持ち運ぶのは厳しいと感じています。
長時間の着用
Vision Proは、結構な重量があります。
長時間の着用で疲れないか気になる方も多いと思います。
人によって許容範囲が異なるので、具体的な数字は出せないですが、少なくとも1日8時間の着用は厳しそうです。
着用中は目の下の部分が圧迫されている感覚があり、着脱時に血が巡る感覚があるため、休憩なしでの長時間の着用は危険ではないかと感じています。
また、首も凝るので、業務時間中フル着用はなかなか厳しそうです...。
アプリ開発用途
Vision Pro用のアプリ開発をするには動作確認のため、実機が必要です。
既にUnityでもサポートされており、実際に試してみました。
バーチャルペットを表示し、ランダムに動くように動作させるだけですが、2時間ほどで完成させることができました。
まだまだ情報が少ないもののアプリ開発はできる状態にあり、今後のマーケット拡大に向けてVision Proのアプリ開発をしてみるのも面白いのではないかと思います。
収益化に関して、現在はGoogle Adsense等の広告は対応していないようにみえます。
また、仮に今後対応されるとしても閉鎖空間に広告が表示されるのは、不快なので、有料アプリやアプリ内課金で収益化をしていくのが良さそうに感じました。
結局買うべきなの?
お金に余裕があり、どうしても試したいという人以外は買わなくても良いのかなと感じました。
Vision Proは、Meta Questと比べてもかなり値段が高いので、どうしてもXR ヘッドセットが欲しいのであれば、Meta Questの方が良いと感じました。
映像の綺麗さは圧倒的なので、映画を外出先で大迫力で見たいという方には良さそうです。
室内での映画鑑賞の目的だけならば、ポップインアラジンで十分だと感じており、あまり魅力的には思えないです。
批判的なコメントを多く残しましたが、購入したことを後悔はしていません。
今後のさらなるアップデートが楽しみです。